高周波誘導加熱装置
対象の金属のみを温める、省エネ・クリーンな加熱方法
高速・クリーン昇温
概要
高周波誘導加熱装置とは
高周波誘導加熱とは、金属を非接触で自己発熱させる加熱方法のことです。調理に使うIHクッキングヒーターはこの原理を応用しています。
交流電源に接続されたコイルの中に、加熱したい金属を入れると、コイルと金属は離れているにもかかわらず、金属の周りに高密度のうず電流が発生し、熱が発生します。これが誘導加熱と呼ばれる処理です。
高周波誘導加熱装置は、高周波電源・整合部・加熱コイルの3つの要素から構成されます。
高周波電源
高周波電力を出力するための装置です。具体的には、負荷の共振状態に応じた~50kHzの矩形波交流電圧をつくり出す装置です。
整合部
共振コンデンサと整合トランスから構成されます。共振コンデンサ・整合トランス・加熱コイルの組み合わせにより、共振周波数が決定されます。
加熱コイル
このコイルの中に、加熱する金属を入れます。コイルで発生した磁束を金属内部に貫通させて、うず電流(誘導電流)を発生させます。これにより金属を加熱することができます。
YUTAKAの強み
低コスト
弊社独自の共振制御により、負荷変動に合わせて周波数を自動補正します。高効率な電力伝送により消費電力を抑えられます。また、自社設計・自社生産により製造コストを大幅に抑制できます。
省スペース
小型IGBTや積層銅バーといった、機器レイアウトを最適化した、コンパクトな高周波電源です。
一般的な他社サイズが容積1.0㎥なのに対し、YUTAKAの製品は0.27㎥と、約1/4の省スペース化を実現しました。
ユニバーサルデザイン
タッチパネルを標準装備し、各種パラメータ設定や運転モニタなどが容易です。
設定内容の変更など専門技術者に依頼することなく、お客様がご自身で変更することが可能です。
品質向上
電力・周波数・印加時間のデジタル制御を行うことで、良品条件の確実な管理が実施できます。
データロギング機能搭載
加工時の各種データを標準タッチパネルに記録、更にシステム構築により工場のIoT化が可能です。
シミュレーションによる検討と社内加熱テストによる検証
社内にて加熱テストを承っております。合わせてシミュレーションを実施することで現象の見える化ができ、素早く最適化を行うことが可能です。
装置名 | 型式 | メーカ |
---|---|---|
高周波電源(150kW) | YPC-20150 | 株式会社豊電子工業 |
高周波電源(250kW) | YPC-20250 | 株式会社豊電子工業 |
マイクロビッカース | デュラスキャン-70 | 丸本ストルアス株式会社 |
ハイスピードマイクロスコープ | VW-9000 | 株式会社キーエンス |
ポータブルロックウェル硬度計 | V4B000 | 丸本ストルアス株式会社 |
UCIポータブル硬度計 | MIC10 | GE Sensing & Inspection Technologies GmbH |
トヨタ技術開発賞
消費エネルギー1/4を実現し、2012年トヨタグローバル仕入先総会において、技術開発賞を受賞しました。高周波誘導加熱電源の大幅な小型化及びコストダウンを実現したことが評価されました。
愛知環境賞 銅賞受賞
2015年に愛知県より愛知環境賞 銅賞を受賞しました。
従来のハード基板による複雑な制御方式を独自開発のソフトウェア制御へ改める事により、省スペース・省エネルギーを実現し環境負荷の低減に大きく貢献するものと評価されました。
愛知環境賞ページはこちら
システムインテグレーション
YUTAKAが誇るロボットインテグレーション技術と組み合わせることで、前後工程・搬送を含めた最適なシステム提案が可能です。
実績
主な導入実績
- 高周波焼入れ・焼戻しロボットシステム
- 焼嵌めシステム
- 通電加熱システム
- 鋳造前加熱ロボットシステム
- 焼鈍システム
加工事例
モータ部品
- ロータ
- ステータ
- ベアリング
エンジン・トランスミッション部品
- クランクシャフト
- カムシャフト
- カウンタギヤ
- ドライブピニオン
スペック
型式 | YPC-03075 | YPC-03150 | YPC-20075 | YPC-20150 | YPC-20250 | YPC-50030 | YPC-50075 | YPC-50150 | |
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出力仕様※ | 電力(kW) | 75 | 150 | 75 | 150 | 250 | 30 | 75 | 150 |
周波数(kHz) | 0.05〜3 | 0.05〜20 | 0.05〜50 | ||||||
入力仕様 | 3φ3W 400/420V±10% 50/60Hz | ||||||||
冷却方式 | 水冷式 | ||||||||
制御方式 | パルス幅制御(PWM) | パルス振幅変調制御(PAM) | パルス振幅変調制御(PAM) | ||||||
インバータ | IGBT | ||||||||
標準外部インターフェース | FL-net、CAN、コンピュータリンク | ||||||||
外形寸法(W×H×D)(mm) | 600×1010×450 | 600×1010×450 | 600×1010×450 | 600×1010×450 | 700×1275×450 | 600×1010×450 | 600×1010×450 | 600×1010×450 |
※基本仕様となります。お客様のご要望によりカスタム可能な場合がありますのでご相談ください。
※予告なく変更する場合があります。